リフォームを考えるとき、大きなウエイトを占める要素となる価格。
リフォームにいくら費用がかかるのか?
その相場は気になるところですよね。
おおまかな相場を調べるためにはもちろん、お得で安いキャンペーンや商品を探すために、誰もがリフォーム会社のチラシやホームページから価格を確認します。
しかし、いざ実際、見積を取ってみたら全然違う価格で出てくることも珍しくありません。
何故なら、リフォーム会社が表示する価格にはちょっとわかりにくいクセがあるのです。
今回は、そんなリフォーム会社の価格表示ついてお伝えいたします!
リフォーム会社が価格表示するようになったワケ
実は、リフォーム業界。
昔は価格は全て見積りで、価格表示をしないところがほとんどでした。
それは、別にリフォーム会社が怠慢だったわけではなく、リフォームはお家の形状や現在ついている設備の形、配管の位置によって金額は左右されるため、価格はお家を見てからが、当たり前だったのです。
ところが大手ハウスメーカー参入や訪問販売が増えたりと、競争が激しくなってきた点と他の業界でも標準価格といった言葉が浸透するにつれて、リフォーム業界も価格透明性が訴求力を持つようになりました。
今じゃ各社、こぞって価格表示を始めています。
当初は、さまざまな表示方法があふれていましたが、ようやく表示方法は収れんしてきました。
とはいえ、この価格表示の読み方を知らないとチラシと値段が全然違う!となってしまいます。
リフォーム会社がチラシやホームページに表示している価格にはいくつかのパターンと特徴があります。
まずは、このパターンを押さえておきましょう。
商品価格と工事価格、そしてコミコミ価格(パック価格)
リフォーム会社の価格表示は商品価格と工事価格、そして商品と工事の価格が一体になったコミコミ価格(パック価格)の3パターンがあります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
商品価格表示とその読み取り方
商品価格、本体価格、材のみ価格といった表記をされる価格はトイレ本体やキッチン本体だけの価格になります。
商品価格表示の特徴として、ほとんどのリフォーム会社が「○%OFF!」といった表記をしています。
これが何に対してのOFFなのかというと「定価」「メーカー小売希望価格」からのOFFとなります。
25%~60%OFFと幅が広い為、実はこのOFF表記はほとんど当てになりません。
メーカーによっては、元々定価を低く設定しているところもあるので、%だけでは判断できないのです。
また、この時、チラシやホームページには具体的な商品名が掲載されていますが、注意しなければいけないのがグレードやサイズです。
例えば、キッチンなら、同じ商品名でもI型2550の商品を掲載しているリフォーム会社もあればI型2400で表示している会社もあります。さらにグレードはスタンダードプランなど一番グレードの低いタイプで表示している場合がほとんどです。
お風呂だと1坪ではなく、0.75坪で表示するなど、リフォーム会社は少しでも表示する価格を安くしようと工夫してきます。
さらにオプションや上位グレードについては、価格の割引率(%OFF)が違うケースもあるので注意が必要です。
商品価格表示をどう活用するか?
そんな信頼性の低い?商品価格表示をどう参考にするか。
その点について考えてみます。
○%OFFを見ていくと割引率が大きいものをピックアップした時、同じメーカーであることが多い場合があります。
私の個人的な印象では、地域中小リフォーム会社に見られる特徴ですが、メーカーに得意、不得意があります。
割引率が高いということは、メーカーへ交渉力がある。
つまり、多く販売しているということが言えるでしょう。
その商品の施工事例、施工経験が多いというのは、リフォームを失敗しない為の1つの要素となります。
また、メーカーへ交渉力のあるリフォーム会社はサイズやグレード、オプションの割引率も高い場合が多いでしょう。
商品表示の読み取り方まとめ!
- 割引率(%)の数字だけを見ない!
- サイズやグレードにも注意する!
- 得意、不得意なメーカーを見抜く!
工事価格表示と読み取り方
工事価格は「標準工事」や「基本工事」という表記で掲載されていることが多いですが、この標準や基本はリフォーム会社によってバラバラ。
例えば、A社の標準工事よりB社の標準工事が安い価格がついていても、同じ内容じゃない為、正しい比較ができないのです。
標準工事内容の表記もバラバラで、「解体撤去」「撤去処分費」が同じ意味であったり、処分費は別だったり。
キッチンなんかだとキッチンパネルが別費用だったりするところもありますね。
また、どんなに時間をかけてチラシやホームページ上で比較しても、実際に現地調査で見積を出してもらうまで、正確な価格は分かりません。
かといって他社比較も内容と表記がバラバラで難しいのがこの工事価格です。
工事価格表示をどのように活用するか?
内容と表記がバラバラな工事価格の表示。
この活用方法は、リフォーム会社の誠実さ、信頼性を図るために活用しましょう。
商品の価格しか表示されていないリフォーム会社や標準工事の内容が掲載されていないリフォーム会社には少し注意が必要です。
まず、商品価格が表示されているチラシやホームページで、一緒に工事価格が表示されていない場合、リフォーム会社は商品を安くして集客し、工事価格で儲けている可能性が出てきます。
※もちろん、工事価格を掲載しない全てのリフォーム会社がそうだとは言えません。
また、標準工事は価格より、その内容がきちんと掲載されているかが重要になります。
問合せの段階で、どこまでが標準工事の範囲なのか確認するとともに、見積の段階で、掲載されている標準工事の内容と見積が一致しているか、標準外になった工事は何であるかを確認するのに活用します。
工事価格表示の読み取り方まとめ!
- 工事内容がリフォーム会社によってバラバラで比較が困難!
- 価格より標準工事の内容と範囲が重要!
- 会社の誠実さを図る要素として標準工事内容の掲載有無を確認!
コミコミ価格(パック価格)の功罪
ここまでお読み頂いた方には、リフォーム費用には、「商品価格」と「工事価格」があることをご理解頂けたかと思います。
その両方をまとめた合計価格を表示するのがコミコミ価格、パック価格と言われる表示方法です。
この表示は、一長一短で、リフォーム全体の価格が分かりやすいというメリットがある一方で、商品、工事の値段の内訳が分からないというデメリットがあります。
一般的にリフォーム会社は安く、安く表示したいという中で、コミコミ価格はどうしても表示が高くなります。
その中でコミコミ価格を選択して表示する会社は、価格に自信があると言えるでしょう。
但し、工事価格でも挙げたように、工事内容が明記されていなかったり、一般的な購買ゾーンじゃない低グレード、小サイズ商品の場合は、同様の注意が必要です。
リフォーム会社のホームページ、チラシの価格で見るべきポイントは?
さて、リフォーム会社のホームページやチラシで価格を単純に比較するのは難しいということがご理解いただけたでしょうか?
リフォーム業界での価格表示は他の業界よりクセが強く、掲載価格をそのまま参考、比較ができません。
結局のところ、最後には複数社に見積りを依頼して価格を出してもらうことが必要になります。
とはいえ、ホームページやチラシに掲載されている価格を含めた情報は、リフォーム会社を選ぶのにヒントとなる情報がいっぱいあります。
今回は、その価格表示の活用法についてお伝えさせていただきました。
皆さまのリフォームが少しでも成功するようにこれからも情報発信を行います。
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